航空会社のステイタス獲得を目指すために、日々旅程のやり繰りをしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は国内線のMCT(最低乗り継ぎ時間)についてどうなっているか確認したいと思います。
国内線のMCT(最低乗り継ぎ時間)
空港により必要とされる乗り継ぎ時間が異なります。
空港の規模が大きくなるほど必要時間も多くなり、他社便を利用するためウィング間の移動がある場合やターミナル間の移動がある場合は更に必要時間が多くなります。
MCTとはMinimum Connecting Timeの略です。
空港 | 運航会社 | 必要時間 |
---|---|---|
羽田空港 | ANA便/ADO便/SNA便 | 35分以上 |
羽田空港 | SFJ便およびJALグループ便 | 50分以上 |
伊丹空港・関西空港 | ANA便/IBX便/SFJ便 | 25分以上 |
伊丹空港・関西空港 | JALグループ便 | 30分以上 |
沖縄(那覇)空港 | ANA便/SNA便/SFJ便/JALグループ便 | 30分以上 |
羽田空港、伊丹空港・関西空港、沖縄(那覇)以外の空港 | ANA便/ADO便/SNA便/SFJ便/IBX便/ORC便 | 20分以上 |
羽田空港、伊丹空港・関西空港、沖縄(那覇)以外の空港 | JALグループ便 | 30分以上 (成田空港は50分以上) |
空港間を移動する場合は鉄道などの公共交通機関を利用するため下の表のように長時間確保する必要があります。
都市 | 区間 | 必要時間 |
---|---|---|
東京 | 羽田⇔成田 | 180分以上 |
大阪 | 伊丹⇔関西 伊丹⇔神戸 関西⇔神戸 | 180分以上 170分以上 190分以上 |
九州 | 福岡⇔北九州 福岡⇔佐賀 北九州⇔佐賀 | 220分以上 175分以上 300分以上 |
山陽 | 広島⇔岩国 | 215分以上 |
北海道 | 新千歳⇔丘珠 | 150分以上 |
乗り継ぎ時間に関してはANAのトップページ「乗り継ぎのある方のお手続きについて」からご確認ください。
連帯運送契約
ANAの「連帯運送契約」についてですが、下記9社と締結されています。
各社指定する時間に乗り継ぐ場合は預け直しの必要はなく最終目的地まで荷物を届けることができます。
また、航空会社を変更することも契約上は可能です。
(実際には機材の故障などの振替がほとんどです)
- IBEXエアラインズ株式会社:IBX
- 株式会社AIRDO:ADO
- 株式会社ソラシドエア:SNA
- 株式会社スターフライヤー:SFJ
- オリエンタルエアブリッジ株式会社:ORC
- 日本航空株式会社:JAL
- 日本エアコミューター株式会社:JAC
- 日本トランスオーシャン航空株式会社:JTA
- 琉球エアーコミューター株式会社:RAC
MCT(最低乗り継ぎ時間)を満たさない場合搭乗できるのか
結論は乗れます。
(乗れるというよりたまたま乗れてしまうと言った方が正確かもしれません)
ただしいくつか注意点が必要です。
注意点
- 自己責任であること
遅延や欠航、その他トラブルで発着が遅れても補償や救済が受けられない - 機材が同一か
- 乗り継ぎ便の搭乗口は近いか
- チェックイン済みであること
カウンターでの手続きが必要な4区間の予約などをしていない - 手荷物を預けていない
これらに加えて予約変更可能な航空券であることが望ましい条件です。
発着が遅れることはしばしばあり、那覇の場合は搭乗口同士も近いですが、羽田になるとかなり距離があります。
羽田の特例(Special MCT)
羽田空港の場合、経由便であれば35分を切る場合でも遅延や欠航の補償対象になります。
この経由便の定義は路線を検索する際に「乗継便」として設定されていることを指します。
自ら追加した便は対象外です。
特例の対象路線
羽田を経由する乗継便のうち「千歳」「伊丹」「福岡」が対象です。
本来羽田は35分必要ですが特例により、満たさない時間でも乗り継ぎが可能です。
下記が全てではありませんが例を掲載しておきます。
参考
まとめ
1日に何区間も搭乗するような旅程を組むとあと5分あればということもあると思います。
実際には予定より早く着き「定時運行にご協力いただきありがとうございました。」といった機内アナウンスを聞くこともある反面、搭乗客が多い便やトラブルなどがあると出発が遅くなったり、那覇などの混み合う空港では空中で待機させられる場合もよくあります。
こればかりはどうなるか誰も分からないため、定められた乗り継ぎ時間は確保しておいた方が安心できますし、航空会社への負担も減ります。
変更可能なチケットがあり、上記のような条件が揃っている場合は、推奨される乗り方ではない(そもそも予約として成立していないため搭乗を断られる可能性あり)ことを理解の上自己責任でご利用ください。
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